過去の記事:カラヤン

実は10年ほど前、僕がまだ学生だった頃、日々の生活のなんてことはない出来事を記録するブログを書いていました。書いていたのは短い期間ではありましたが、事実上このキノログの前身となるものです。なんと先日、今では削除しちゃってウェブ上から抹消されてしまった文章を発掘することに成功しました。せっかくなので、こちらにアップしておこうと思います。当時の僕がいかにくだらないことを考えていたか、温かい目で読んで頂けると助かります。

〜ここから過去文章〜

ヘルベルト・フォン・カラヤン。

言わずと知れた歴史的大指揮者です。「フォン」とドイツの貴族の称号がついていますが、生まれがいいとかそういうのは関係なく、彼は間違いなく自らの力によって「皇帝」の名を欲しいがままにします。

彼の録音に対する情熱はすさまじく、ものすごい量の音源を残しました。CD屋のクラシックコーナーに行ってみると、例えどんなに品揃えの悪い店でもカラヤンのCDだけは見つけることができます。

また、今度この曲を聴いてみたいなと思った時にCDを探していると、かなりの確率でカラヤン版が見つかるのですが、そういった場面に遭遇する度に彼は非常に多くの音源を残したんだなと再認識させられます。

さらに嬉しいことに廉価版がたくさん出ているので、お値段がお手頃。もちろんカラヤンなので、安かろう悪かろうと言うことは決してなく、どの版も安心して聴けます。
貧乏学生の僕には非常にうれしいことで、当然カラヤンのCDはたくさん持っています。

ですが僕は最初からカラヤンが好きだったわけではなく、むしろ最初の方は敬遠していました。

僕が初めて買ったカラヤンのCDは、グリーグとかシベリウスとか北欧の作曲家の曲が集められたオムニバス的なCDだったのですが、残念ながら僕好みの演奏ではありませんでした。最初に買ったのがそういうCDだったので、もうカラヤンが振った曲は全て僕には合わないんじゃないかと錯覚してしまって、しばらくカラヤンの演奏を聴くことはありませんでした。

ですが、前述しましたように、カラヤンのCDは廉価版がたくさん出ており、本当に1枚千五百円とかで買えるんで、貴族でもなんでもない僕にとっては非常に魅力的なのです。
僕の名前がvon Kinosukeとか、名前からしてもうすごい貴族だったら、きっとお金のことなんか気にしないで目についたCDは次から次に買い物カゴの中にポイポイ入れてくんでしょうけど、残念ながら僕は仕送り前とかになるとストックしている米だけで過ごすような貧乏学生。聴きたい曲のCDを探すときは、値段を最優先事項としてすごく時間をかけて吟味します。

ある時、どうしてもブラームスの交響曲全集が欲しくて探してたんですけど、カラヤン以外はどれもかなりのお値段。とてもじゃないけど、手の届く代物じゃありませんでした。という訳で、仕方なくカラヤン版を購入。

家に帰ってさっそく聴いたのですが、これがもう僕の想像を超えた重厚で感動的な演奏で、鳥肌が立ったのを覚えています。

当時僕は第1番しか知らなくて、でもその1番はすごく好きな曲で、なんかのテレビ番組で放送があったときなんか録画して何回も繰り返し見たってくらいお気に入りの曲だったんですけど、カラヤンのブラームスは今まで聴いていたどのブラームスよりも衝撃的でした。

本当にあの時はCDが擦り切れるんじゃないかってくらい繰り返し繰り返し聴きました。CDは擦り切れないか。

この1枚で僕は一気にカラヤンが好きになったんですけど、さらに衝撃的なことが起こりまして、ある暇な日にYouTubeをボーっとみていてたまたまカラヤンが振っている動画にたどり着いたといことがありました。そういえば動いているカラヤンは見たことがないなあと思いながら見ていたんですけど、それがもうめちゃめちゃかっこよかったのです。

凛とした姿勢で目を瞑り、重厚なオーケストラサウンドを自在に操っている姿が神々しく、僕は彼の世界に取り込まれていました。本当に彼の振るタクトが美しいのです。

そんなこんなでもう今では完全にカラヤンのファン。

ドイツグラモフォンがカラヤングッズが当たるってキャンペーンをやっていたら、当然ながらそれが欲しいがためにCD買って、そのグッズをゲットするってくらい。今ではカラヤンのCDはかなりの枚数になりました。

なんかこれ書いていたら、久しぶりにカラヤンのブラームスが聴きたくなってきた。

今宵は一人静かにブラームスナイトだ。

と思ってブラームス交響曲全集のCDケースを開けたら・・・、


空ヤン!!


演奏: ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮: カラヤン(ヘルベルト・フォン)

オチを書きたいが為にツラツラと長文を書いていた当時の僕が目に浮かびます。なんか恥ずかしくなってきた。

他にも過去の記事はあるので、機会があればアップしていきたいと思います。需要があるのかは不明ですが^^;

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