本日やっと待ちに待った?アベノマスクが届きました。僕は宮崎という途方もない田舎地方に住んでいるので、配られるのはきっと日本の中でも最後の方かなと思っていたのですが、厚労省のサイトによると、昨日の時点で配布率は64%らしいです。思ったより早い方でびっくりです。
さてこの布マスク配布、アベノマスクと揶揄され、国内外から嘲笑されていたのは記憶に新しいところ。4/1に安倍首相が表明したので、エイプリルフールの冗談とまで言われていました。
ところが僕はこの施策を聞いた時、200億円強という予算から考えても費用対効果のある妙案だと思いました。(かかった費用はその後転々と変わりどんぶり勘定だと非難轟々ですが)
僕は決して専門家ではなく、ウイルスの疫学研究は半年間だけしかやらず専門家の端くれにもなっていない者なので、以下はそのつもりで読んでください。
R0について
R0(アールノートまたはアールゼロと読みます)という指標があります。これは、ある感染症にかかった人が、免疫を全く持っていない集団に入った時に、他人に感染させる平均数を表したものです。例えばR0=2だった場合、新規感染者数は2人ずつ拡がっていく為、2→4→8→16→32と増えていきます。一方、R0=0.8だった場合、100人の感染者がいたとすると、新規感染者数は100→80→64→51→41と減っていきます。つまり、R0の値が1より大きいと感染症がどんどん拡がっていき、反対に1より小さいといずれ収束していきます。
R0は以下の式で算出されます。
新型コロナウイルスのR0は、こちらのサイトによると、いくつかの研究で1.4から6.49と推測されたそうです。
このR0を1より小さくすれば収束に向かいます。つまり、「1回接触あたりの感染率」、「接触回数」、「感染性を保つ時間」の値を小さくして、1以下にすればいいのです。新型コロナウイルスは飛沫感染で伝播していくと推測されていることを考慮して、以下のような対策が有効そうです。
- 1回接触あたりの感染率:マスク着用、手洗い
- 接触回数:人との接触を減らす
- 感染性を保つ期間:薬の開発
マスクは繊維の穴も大きいし、横の方は隙間も出来やすいので、ウイルスの吸引を完全に防ぐことは難しいとよく言われますが、飛沫が飛ぶのを防ぐという点においては役に立ちそうです。特に飛沫感染する今回の感染症にとって飛沫を出さないというのは、「1回接触あたりの感染率」を下げるのに有効だと考えられます。
参考にしたサイト:日本疫学会
ソーシャルディスタンスも大事
勿論、人との接触を減らすことも大事です。例えば、上に書いたR0の推測値のうち、最も高かったR0=6.49だとして、皆が例外なく人との接触を8割減らせば、6.49 x (1-0.8) = 1.3 まで減ります。これにマスクや手洗いなどの対策を同時にやれば、1 を切って収束に向かうかもしれません。
参考にしたサイト:北海道大学医学統計学教室
自分たちにできること
上のR0を小さくする為の方法のうち、薬の開発は僕たちには出来ませんが、マスク着用と手洗いは簡単に出来そうです。
アベノマスクに文句を言いたい気持ちは分かります。遅いとか今更という意見もよく聞きますし、僕もそう思います。ですが、ウイルスとの闘いは長期戦です。まだまだ続きますし、皆が例外なく外出時にマスクを付ける事が出来たら、実際に効果が期待出来ますので、僕は是非続けていきたいです。
接触に関しては、これからは経済活動も活性化させなければならないので、いつまでも接触を避け続けると言うわけにも行きません。結局のところ政府が口を酸っぱくして言っている通り、3密を避けたりソーシャルディスタンスを意識した生活を取り入れつつ営んでいくしか方法がなさそうです。
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