僕の中でプチ断食ってセレブが好んでやっているイメージでした。全国いろんなところに泊まり込みで断食できる施設があって、興味本位で価格を見てみると、断食中は当然料理が出ないのに豪華料理が出てくる旅館並みに高いのです。僕としてはせっかく高いお金を払うのなら広い部屋で豪華な食事が出てっていうところに泊まりたいです。わざわざ高いお金を払って苦行を行う意味がわからないと思っていました。ところが連休直前に妻がいきなり断食道場と同じことをやりたいと言い出しまして、別に施設に行かなくても家ならタダだし、むしろ食費がかからない分普段より安いじゃんという事で、やってみる事になりました。なぜか僕も一緒に。以下、初めてのプチ断食の記録です。
前日
在宅勤務。最後の晩餐(昼食だけど)として昼休みに近所のスーパーで宮崎牛を購入し、一人焼肉パーティを敢行。今日だけならばと誘惑に抗わず、間食でポテチとアイスという背徳感満載のコンボを喫食。夜は断食に向けた準備としてリンゴ1個とニンジン3本のスムージーを飲む。スムージーを飲む横で息子が美味しそうにチャーハンを食べていた。この日の夜はトーストをドカ食いする夢を見た。
1日目
朝食はリンゴ1本とニンジン3本のスムージー。天気が悪いので子供と室内で遊びながら過ごす。朝の間食として具なし味噌汁。塩分補給の為、いつもより若干しょっぱ目。胃に染み渡る美味しさ。体が真に求めるものは美味しく感じるのだろうか。昼食はすでにお馴染みになってきたリンゴとニンジンのスムージー。飽きた。ニンジンの繊維のモサモサ感が結構辛い。夜は絞ってジュースにしようと心の中で誓う。昼の間食は紅茶に生姜パウダーと黒糖を溶かしたもの。夜はニンジンの絞り汁とリンゴをミキサーにかけたもの。ニンジンの繊維分がないだけで圧倒的に飲み易い。ジュースを飲む横で息子が美味しそうにハンバーグに舌鼓を打っていた。正直1日のほとんどの時間帯で断食による空腹感は思ったより感じなかったが、寝る前が辛かった。何度ファミチキを買いに駆け出そうと思ったことか。全力の自制心を以ってなんとか耐えた。この日の夜は高校の教室で豆腐を作る夢を見た。
2日目
朝食はリンゴとニンジンのジュース。ニンジンをミキサーで粉々にして、濾した後に、再度リンゴとミキサーにかけた。濾すという一手間を加えるだけで劇的に美味い。朝の間食は具なし味噌汁。これが感動するレベルでしみじみとして旨い。昼食も朝と同じジュース。自分でも意外だが、この時点ではそこまで空腹感はない。心なしか体が軽い気がする。体調は絶好調。日中は特に辛さを感じないまま過ごした。が、夜は本当に辛かった。夕食はお馴染みのニンジンリンゴジュース。隣で息子がカレーライスに舌鼓を打っていた。空きっ腹にカレーの匂いはきつい。食後に息子が宮崎のるるぶを見ていて、地鶏のモモ焼き特集のページがお気に入りだったらしく、わざわざ見せに来た。妻も食べ物のことばかり考えてしまうようで、執拗に食べ物の話題を振られた。結局寝るまでずっと食べ物のことしか考えられなかった。この日の夜はどこかの病院でスープを作る夢を見た。
3日目(回復日)
前日の辛さが嘘のように、朝起きたら空腹感が無くなっていた。辛くなったら寝ればいいということを学習した。この日は仕事で休日出勤。弁当として味噌玉(お湯で溶かすと具なし味噌汁になる)を持っていった。糖分補給の目的でスポーツドリンクを持っていった。仕事が忙しかったせいか、空腹感はあまり感じなかった。夜帰ったら待望の食事である。と言ってもいきなり固形物は出てこない。玄米の重湯(おかゆの上澄み液)、具なし味噌汁、ジャコおろし。家族はすでに食べていたので一人でこれらを味わいながら満喫する。そしてやはり夜が辛い。日中はそうでもないのに、夜になると突然空腹感との戦いのゴングが鳴り出す。気晴らしのため、翌日の予定を立てながら寝る前の時間を過ごした。この日の夜の夢は忘れた。
4日目(回復日)
朝食はいつものジュースだが、朝の間食の時間に食事をとる。おかゆ、野菜入り味噌汁、雑魚おろし、納豆、湯豆腐。多分断食中ではなかったらテンションだだ下がりなメニューだが、今の自分には輝いて見える。別に信仰する宗教はないが、神に感謝を捧げずにはいられなかった。昼は息子を連れて空港に飛行機を見にいった。ついでに空港の売店で子供の昼ごはんを調達する。誘惑に抗えず、自分用に飫肥(おび;宮崎の観光名所の一つ)の名物である厚焼き玉子を購入した。頭の中で天使と悪魔が争っていて、「実質絶食期間は終了しているんだし、玉子焼きくらいならもう食べてもいいんじゃない」という悪魔のささやきが決定打となった。めちゃくちゃ美味かった。隣で子供が鶏の唐揚げに舌鼓を打っていたが、卵焼きのおかげで何も思わなかった。夜は健康食。全て準備してくれた妻に感謝。
5日目(回復日)
本日の朝で一連のプログラムは終了である。プログラム最後の食事を食べる。久々の動物性蛋白質(鯖のみぞれ煮)だ。美味い。断食前に比べるとそんなに多い量ではないが、今はこれでもう他に食べられないくらい満腹感がある。こうして、最後の食事を終え、全てのプログラムが終了した。
なんとか誘惑に(概ね)負けず完走した今回のプチ断食は無事に成功と言ってもいいのではないでしょうか。この連休中にニンジンを2人で50本くらい消費しました。人生においてこんなに人参を消費したことはなかったと思います。しばらく人参はいいかな。
ダイエット目的でやった訳ではないですが、気になる体重の変化です。残念ながら劇的な変化はありません。消化管の中が全部無くなった分軽くなったけど、短時間過ぎて体の組成自体は変わらなかったという気がします。これに関しては今後どのように健康的な食生活を続けるかが大事になってくると思います。
さて、プチ断食をやってみた感想ですが、5日間連続で食事内容を縛られるのは結構辛かったです。効果は正直まだあまり実感としてはありません。なんとなく体が軽くなったかなという程度です。やはり実感が得られるレベルであればもう少し長い断食ではないと厳しいかと思います。とは言え、正直きついので、もし続けるのであれば週一でスムージーで過ごす日を作るといった方法がやり易いのではないかと思います。ただしこの方法を採用するにしても長期間続けないと効果は実感できないと思うので、モチベーションをいかにして維持するかという点を考えなければ失敗は目に見えています。続けるためにも、まずはモチベーションとなり得る強力な理由付けを探していきたいところです。
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