5分で理解する三角関数の意味と実用例

数学・統計

数学の原理を理解するのに、小難しい数式は必要ないです。この記事では、三角関数とは何なのか、その本質について解説します。

  • これから三角関数の勉強を始める中高生
  • サインコサインって勉強したけど、結局三角関数って何だったの?と疑問に思った方
  • 学生時代に習った三角関数って何だったっけと疑問に思った大人の方

このような方に是非読んでもらいたい記事になっております!

三角関数とは

そもそも「関数」って何?

関数とは、

y=2x

のように、片方の数字(例えば上の式のx)が分かればもう片方の数字(上の式のy)も分かるようになるという関係のことを言います。

上の例では、x=2だったら自ずとy=4になりますし、x=3だったらy=6になります。これが関数の本質です。

それでは、「三角」関数とは何なのでしょうか?

三角関数とは

下図のような三角形があるとします。

高さが3の直角三角形ABC

三角形でも、片方の数字が分かると、もう片方の数字も分かるような関係性が沢山分かっています。

例えばこちらの式。

sinθ = BC / AC

実は上の三角形、角度θ(シータ)が分かれば、この式から辺ACの長さが分かります。逆に辺ACの値が分かれば、角度θの大きさが分かります。

三角形において片方の数字が分かると、もう片方の数字も分かるといったような式、これが三角関数の本質で、全ての出発地点でもあります。

それでは、この三角関数を計算する上で必要不可欠な道具、サイン・コサインについて見てみましょう。

サイン・コサインとは

学校では、サイン・コサインのことを次のように習ったと思います。

直角三角形ABC
  • sinθ = BC/AC
  • cosθ = AB/AC

これだと、何が言いたいのかワケが分かりませんね。

そんな時は円を考えれば分かります。

このように、半径が1の円を「単位円」といいます。

ここに、単位円の線上をグルグルと自由に動ける点Cがあったとします。

さて、この点Cの座標はなんでしょうか。

点Cはグルグル動いていて位置なんか決まってないし、座標を言えと言われても無理がありそうです。

ところが、ある定義をすると簡単に答えが出ちゃいます。

点Cから垂線を下ろし、その交点を点B、原点(0, 0)を点Aとします。そうすると、直角三角形ABCができますね。

ここで、点CがX軸上からスタートして、θの角度分動いた時、点Cのy座標(つまり辺BCの長さ)をsinθと言います。それから、点Cのx座標(辺ABの長さ)をcosθと言います。

つまり、点Cの座標は、C(cosθ, sinθ)ということになります。

注意が必要なのは、これは辺ACが1の時しか言えないということです。

でも大抵の直角三角形って都合よく辺ACが1なんかではないですよね。

AC=1の直角三角形なんて世の中にそんなにありません。

例えばAC=2の直角三角形ABCがあります。

BCの長さをsinθと言いたいが為に、ACの長さを無理やり1に変換してみましょう。

辺ACを2で割って、辺BCも同じく2で割ると、大きさは変わるでしょうが形は変わらないはずです。相似というやつでしたね。

そうするとAC/2 = 1(つまり辺A'C')、BC/2 = B'C'となります。

ということは、BCをACで割るとsinθになるということですね。

sinθ = BC/AC
一番最初に言ったsinθの式と同じです。ちょっと変形すると、BC = AC x sinθ
つまりsinθの値をAC倍すると辺BCの長さとなります。

今言ったことは辺ABでも同じことが言えます。AB/AC = A'B'(つまりcosθ)

cosθ = AB/AC
これも言い換えると、ABはcosθをAC倍したもの、つまりAB = AC x cosθとなります。

ところで、三平方の定理って覚えていますか?

再び何の変哲も無い直角三角形
直角三角形ABCがあったら、AC2=BC2+AB2

BCとはsinθにACをかけたものでした。一方ABとはcosθにACをかけたものでした。上の三平方の定理に代入してみます。

AC2=(AC x sinθ)2+(AC x cosθ)2

両辺をAC2で割ると

1 = sin2θ + cos2θ ・・・よく見かける公式になりました。

 

タンジェントとは

タンジェントとは、原点Aを通る直線ACの傾きのことです。xの値が1増えた時にyはどれくらい増えるかという事を表しています。

傾き = (yの変化量) / (xの変化量)

つまり上の図で言ったら、傾き = BC / AB

と言うことは、tan = sinθ / cosθ となります。

これは半径1の円に限らず、全ての直角三角形で傾きをタンジェントとすると決まっています。

どんな時に使うの?

三角関数はプログラミングや人工衛星の軌道計算など様々な分野で使われていますが、元々は測量の分野で使われてきた歴史があります。一例をみてみましょう。

標高の分からない山を8km離れたところから見上げています。測量機で測ったら見上げている角度は25°でした。さて、山の高さは何mでしょう?

前に出した直角三角形で考えると、Aの角度が25°、ABが8km (8000m)、BCが知りたいと言う問題です。山の高さを仮にhメートルとしましょう

ABとBCが登場するので、タンジェントが使えそうです。タンジェントの式に当てはめると、

tan25° = h / 8000

タンジェントの一覧表とかで見て頂ければ分かりますが、tan25° = 0.4663です。

0.4663 = h / 8000

h = 3730mとなりました。

最後に

実は知り合いから三角関数って何?と聞かれ、この記事に書いたことを説明したら納得してもらえたので書いてみました。(あとプログラミングで円を書いてみたかった)

これから学んでいけばいくほど、三角関数は本当に便利だと実感することになると思います。本記事がその取っ掛かりになってくれれば嬉しいです。

もっと詳しく勉強したい方はこちら

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